本を出版されたい方に
●はじめに●

●私たちの仕事●

●杉並けやき出版の仕事●

●自費出版・共同出版●

●商業(企画)出版●

●はじめに●

 このページをごらん下さる方は、はじめてご自分の記録や想いを活字本にして出版したいと願っている方々かと思います。
 すでに原稿を書き上げているか、これから書き始めてみようとしておられるのかも知れません。
 そして、
「この原稿が本になるだろうか」「こんなものがたりを本にしていいのだろうか」と、書き進めるのにつれて、不安と期待の渦中にあるのではないですか。
 この揺らぎの中で、第三者、たとえば出版社のちょっとした意見・感想を得られると、俄然、励みになり気持ちがはやります。
 が、こんなときは平静に戻りましょう。そして
「原稿」を「寝かせましょう」

 この原稿を「寝かせて」いる間に、少なくとも2社以上の出版社に問い合わせをして、編集(校閲)社としっかり話しましょう。そのとき、筆者側としては、

(1) 出版物をどの範囲の人たちに読んでもらうのか(身内のみ、身内+知人、あるいは不特定多数広範囲になど)
(2) 部数は何冊ぐらい
(3) ジャンルは何か(小説、短歌、個人史、エッセイ、漫画など)
(4) 原稿の量はどのくらいか
(5) 編集といっても、どこまで要望しているか(たとえば、誤字・脱字のみか、加筆・訂正、さらには視点を統一など)。

「出版料金は?」と聞けば、概算を知ることができます。

(6)

あるいは、書店流通させたい場合「希望範囲・制限枠」を伝えて置きましょう。

その後で、出版資料を取り寄せましょう(どこも無料のはずです)。

電話で問い合わせを受けると、第一に聞かれるのが、「料金」(筆者負担分)のことです。

各社から寄り集めた資料と、その中にある出版料金「概算書」をごらんになってみてください。A社、B社、C社、その内容を、比べてみましょう。

(7)

この段階で、もし意向に合った出版社でしたら、編集者に会うか、原稿を送るかして、話を進められればよいと思います。

もし決めかねるようでしたら、編集内容の説明を求めた方がいいでしょう。

(8)

原稿を編集者の個人名に送付しましょう営業担当者にではなく、直接編集者にした方がいいでしょう。
 すると、やがてか、即か、具体的な提案がなされます。(「契約書」が入ってる場合もあります。)

 この提案をじっくり話合った末、制作に向けて進行していきます。(一方的に話を進めることはございません。)

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 私が「出版」に興味をもち始めた昭和40(1965)年頃は、本を書いたり、出版したりする人たちは、限られた一部の人、何か特別の才能をもった人がするものだ、と見られていました。
敗戦(太平洋戦争〜1945年)後20年たっても、まだ「現実」や「人間」を解釈したり表現したりできるのは、ごく一部の専門家だけができるものなのだとする風潮がつくり続けられていたのでした。
 その後、経済のむき出しの加速が、国土だけでなく人をも変質させていきました。「繁栄」のウラには、人間の差異化、孤立化が生み出されていきました。そして「バブル」は崩壊し、社会と人間の在りようを再び思い起こさせました。

 この10年あまり、「想い」を個人出版で発信する人がいままでになく多くなりました。ようやく、とらわれることなく「表現」を「発表」できるようになったことを私たちは大切にしていきたいと思います。
 そのために、固有の一書を原稿の段階から育み、世に送り出せるよう努めています。

●杉並けやき出版の仕事●
(1)

原稿

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 もし、これから原稿を書き始める方でしたら、「編集者」から何らかの役立つ話を引き出してはいかがでしょう。決して無駄にはならないものがあります。
 またもし、テーマや資料があって「代筆」をご希望なさるときにも、編集者とお話しすることをお勧めします。

 書かれた原稿は、手書きのものでも、パソコン・文字データでもどちらでも結構です。(バックアップは必ずとっておいて下さい)

・入稿・送稿の用意ができましたら、必ず編集者宛連絡をとりましょう。あわせて、必ず希望を伝えましょう。たとえば、「共同(=援助分担)」出版の形をとって出版できるか、どうか、またどうすれば、それが実現できるか、などです。

・下読み(送付された原稿を読みます) 筆者の希望を実現するには、何が必要か、などを考慮して読みます。

・筆者に、その後、提案書を送ります。そこには、ソフトカバーか、ハードカバー(上製)か、本の判型(大きさ)や、大まかなページ数、文章の手入れは、どの程度ありそうだとか、従って概算(料金)はこれぐらいだとか、明記したものです。
 あわせて、制作・出版契約書も作られます。

・筆者が、その提案・契約に納得できましたら、概算料金のほぼ半額(半金)以内の料金を支払います。

(2)

校閲・編集・校正

・出版に向けて始動します。先ず本書の役割の位置づけや、意義などについて所見をまとめます。

・それを受けて、全体構成や文章他に手を加えたりする編集を行います。ときには、筆者が参照した量以上の資料とつき合わせすることもあります。ただ、手を入れて欲しくないとする筆者の意向には、従うのは当然で、その範囲内で行うことになります。

・本書が、書店流通させたいとするものならば、ここはきっちりと煮つめたいところです。

・内校(出版社側で校正)したゲラ刷り(仮出力紙)を筆者に届け、筆者のチェックを受けます。この工程は二回、繰り返されます。

・このとき、取得した書籍コード:ISBN(International Standard Book Numbering=国際標準図書番号)の載った本のカバーもあわせて、チェックすることができます。

(3) 印刷・製本

a. 本の大きさ(判型)
 書店の棚を見ると、似たような大きさの本がコーナーを形づくっています。文庫本、新書本、四六(しろく)上製本など。文庫はA4判の4分の1の大きさです。
 ここでは、書籍広告でもよく見られる四六判について記します。
 紙には、A判、B判、四六判と他にいくつも大きさの種類がありますが、日本ではB判(たとえばB5判の週刊誌)のものを作るのに、ひと回り大きい四六判の紙をよく使います。規格のB6判(182×128/mm)の本ですと、32頁分が一枚の紙からとれます。しかし紙を無駄なく使うと、
四六判(と通称している)186×132/mm(出版社によって異なる)は、B6判より大きめでもやはり32頁分とることができます。
 経費上も、情報量の上からも、そして既製の書店棚に並べる上からも、
私のところでもこの四六判サイズの本が主流です。

b. 本のページ数は?
 上製本綴じ口(ノド)をよくごらんになると、16ページ、あるいは32ページごとにまとまっているのか分かります。そのブロックをまとめるのに糸でかがっています(最近は、糸でかがらないものも見受けられますが)。
 本の本文は、
16か32の倍数ページで完成させるのが、堅牢で経済的だということになりますね。
 並製(ソフトカバー)の本も、それに準じた方がいいでしょう。

C. 印刷方式のちがい
 伝統的には活版印刷があり、紙に印圧がかかるので文字が紙面にくい込み、根強いファン層がいます。
 が、いま第一線で活躍しているのは
オフセット印刷と呼ばれるものです。現在これが、最も文字・写真がすっきりと再現されるので、主流です。

 もうひとつが、デジタル方式です。デジタルコピーを印刷機に適用したものと思えば分かり易いでしょうか。ただ16ページを一度に刷り上げるものは、まだ完全に並及していませんが、小さな機械でプリントするソフトカバーの本ならば、1〜5部程度作るには、低料金で仕上がります。(ここでも、編集だけは、きちんとしたいものです)

d. 製本

 書籍で多く見られるのは並製(ソフトカバー)上製(ハードカバー)です。
 一般的にどちらを選ぶかは、内容と筆者の希望、また編集者のねらいなどによって決まることが多いです。
 上製本の方が並製本より、内質が高いという印象がありますが、全く錯覚でしょう。とは言っても、書店扱いでは、並製よりは上製を優先されているようです。購読者もそう評価してしまっているからでしょう。
 並製は本の背が角型で一律です。上製は、背が、丸と角と二種類造られています。ほぼ8ミリの厚さ(束:ツカ)以下の場合は、製本上、丸背にするのが難しくなります。薄い本はそれで殆ど角背ですね。

 本体表紙の外側に、カバーや帯(腰帯とも)が巻かれます。多色刷りが最近増えています。が、内容に適うものであれば、無理に経費をかけない方がいいかも知れません。

 ただ書店配本のものならば、カラー刷りは、あるいは必要かも知れません。
 カバーには、
PP(ビニール質)を貼ることが、多くなりました。キズ・汚れの防止から、私のところでも、この加工はおすすめしています。

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●自費出版・共同出版●

 前回は、ほぼ工程に従って部門毎に記してみました。ちょっとつけ加えておきます。

 これまでも、各部門ごとのご相談もよせられてきました。たとえば、製本のみ、たとえば流通配本のみ。
 原稿づくりでいいますと、代筆やリライトや、主題やテーマを提供するなどしています。

 編集のみ頼みたい、ということもありますね。また流通のみ、杉並けやき出版をつかいたいとご希望のときは、早めにご相談頂ければ対応できます。と言うのは、書籍コード、流通コードや、売上票(スリップ)、奥付けなど杉並けやき出版の規定でつくってもらわねばなりませんし、流通できる内容かどうか、判断・認可する必要がありますので。もちろん流通しない出版物のときも同じです。

 最近ではこの分野の出版形態と方法に、「自費」とか「共同」のことばがよく使われています。どちらも「個人」出版の意味ですが、出版社が企画し出版する「企画もの商業出版」以外のものをそう呼ぶことにいたします。以下、少々、事務的に記しましょう。小社にに寄せられる筆者には、
(イ) ごく少部数をつくっておきたいので、自費出版にしたい
(ロ) それでも永く残るものだから内容を吟味して手を加えてほしい
(ハ) もし書店流通できるものならそうしたい
(ニ) 書店流通できるところで出版したい。印税を期待している

と、さまざまおられます。

 (イ)と(ロ)ですと、出版費用は筆者側が負担するものですが、感動させられる内容のものが豊富にあります。自由に、率直に書くことができるためでしょう。
 私たちのところでは、過剰・差別表現、構成や視点の統一などのお手伝いをしています。

 (ロ)と(ハ)の作品には、そのお手伝いを、より一歩踏み込んで、行っています。これには筆者と私たちとの熱意、気持ちの疎通がないとなかなか深められませんけれどそれだけしなければ良い作品は生み出せないでしょう。

  (イ)と(ロ)が「自費」出版と呼んでよければ、(ハ)(ニ)は、「共同」出版と呼べると思います。

(ハ)の作品群は、多ジャンルに及んできています。うた(短歌・詩…)、自分の氏族の歴史ものがたりから、日記、漫画と、実に「共有」したい内容のものが沢山生み出されてきています。

(ハ)で書店配本するものと(ニ)は、「共同」(どちらかと言えば「費用援助・分担」)出版と、私のところでは呼んでいます。

 「本」の出版経費は、本の制作費と配本・管理と社の経営費から成っています。かなり冒険的なことを言えば、この経費ギリギリのところまでは、「援助・分担」できることになります。流通できる作品におし上げられるよう筆者と私たちが協働します。
 書店(全国)流通・配本をする(ハ)と(ニ)は、「印税」があります。4〜5%あるいは7%という事ですが、個々の作品によって変わります。

 (ニ)の共同出版の場合ですと、(ハ)以上に、私たちが踏み込んで「援助・分担」いたします。ですから、作品は、販売によって利益がある程度見込めるもの、という条件が加味されます。筆者側負担は、より少なくて済むことができます。

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 前段は、筆者・相続者の数だけ、対応が多様多岐に亘ります。十分納得されるには、この説明では不十分かと思いますが、「商業(企画)」出版について少々。
 私たちは、様々な、ジャンル別またはジャンルを横切ったテーマがあります。おもに投稿の中にそれがあったり、筆者を探して執筆していただいたり、あるいは、個人出版原稿の中にあったりします。
 それを本にして出版・販売をして、採算をとるようにしています。見込んだ利益の中から、筆者には「印税」を支払います。
 この「商業出版」での、出版をご希望の方は、お問い合わせください。

 ここで、あるエピソードを紹介いたします。
 私のところに、一冊の上製本が、手紙が添えられて届けられました。新聞雑誌で見かける自費出版社が発行したものです。

「原稿を送ったら一週間後に、○○文学賞の佳作に選ばれたので、『共同出版』しませんか、と(出版社から)言ってきました。粗書きしたようなものが、○○賞に選ばれたと、躍りあがって嬉び、全額をその場で振り込みました。これが一生の不覚でした……。 小川さん、できあがったこの本を読んでいただけませんか。文章が通じるように訂正をしてくださいませんか。再度本にするつもりも余裕もないのですが、原稿だけでもしっかりしたものにしておきたいのです……」

 これが文学賞佳作の本ですか?? とおどろいたのは、筆者ひとりではないことがわかりました。
 はじめての出版を経験される方には、困難なことでしょうが、ご自分の目で確かめて、たしかな編集者に出会えるようにならないと、今後もこのような悲哀事が生まれていくのではないでしょうか。